君は僕の三歩前。

きっとこれが僕たちの距離。





君が好き。





今日は休日。
ジェームズとリリーは二人でデートに出かけたし、シリウスは沢山の女子に囲まれて談話室で質問攻め。
ピーターは宿題をしていたし、セブルスも今日は何も言ってこない。

そして、僕はとデート。


いや、違うか。










ただの、 散歩。



「シリウスも相変わらずもてるわね〜。」

そう言っては足をとめて、僕を振り返った。
後ろに広がる夕焼け空ととてもマッチしていて、どこかに飾られている写真か絵のようだと思った。

「そうだね。あそこまでもてても困るよね。」

との距離を一定に保つように僕も足をとめた。
やっぱり君は僕の三歩前。

「あら。リーマスだってかなりもててるじゃない!昨日だって告白されてたくせに〜。」

見ていたのか、と内心苦笑いをして。
何人もの子に好きだとか愛してるとか言われるより、君に、たったひとりの女性に好きと言われるほうが何倍も嬉しいのに。

ももてるだろう?彼氏は作らないのかい?」

「うーん。今のところその予定は無いわ。」

にっこりと微笑んだ君の笑顔に僕の胸は激しく鳴りだした。
たったそれだけの事なのに、こんなにもなってしまう僕は本当にどうしようもない。

「そっか。僕もないかな。」

本当は君を僕の彼女にしたいのだけれど。

どうしても、好きといえない。
たった二文字の言葉なのに、僕の中の勇気を総動員させても出てこない。
この友達という生ぬるい関係は嫌なくせに、それを壊すのも嫌なのだ。

「ふーん。・・・・・・ねぇ、リーマス。」

は少し首をかしげて僕の様子を伺うようにした。

「何だい?」

の長い黒髪が空の色に反射してキラキラとオレンジ色に光った。



「リーマスに好きな人はいないの・・・?」

いきなりその質問が来るとは思ってみなかったので、僕はひどく動揺してしまった。
もしかしたら顔が赤くなっていたかもしれない。

「・・・・・・は、いるの?」

は少し考え込んだ様子で顔を下に向けたので、頬がオレンジ色に光っているように見えた。
照れているからじゃなくて、夕焼けのせいで。
僕の頬が火照っているのは、君とは違うけれど。

「・・・・・・いる、よ。」

「・・・そうなんだ。誰?」

出来るだけ平静を装ってそう言ったけれど、内心はドキドキだった。
知りたいけど知りたくない思いでいっぱいになった。

「それはまだ、秘密。ヒントはグリフィンドール生だよ。」

はそれだけ言ってまた、僕に背を向けてゆっくりと歩きだした。
僕もつられて君の後を追う。


しっかり三歩の間隔を保ちながら。

それ以上でも、それ以下でもない。



「かっこいい?」

「そりゃあ、ね。かっこいいし、優しいし、ずっとずっと一緒にいたい。」

いろんな人物が僕の頭に浮かんでは消えていった。
は綺麗だし、明るいから、仲のいい人は沢山いる。

「告白はしないの?」

してほしくはないけれど。
やめろという権利は僕にはないから。

「いつかはすると思う。でも、まだダメ。」

「可能性はあるんだろ?」

君はとても人気者だから、絶対OKが出ると思うから、とても切ない。
僕は好きな人と何を話しているんだろう。

「・・・・・無理だよ。もてるから、その人。」

「シリウス・・・?」

「違うよ。」

候補者が一人消えた。

「まさか、ジェームズってことはないよね?」

「まさか!全然違うよ!」

また、消える。

「・・・僕?」

ふざけた風を装って、聞いてみた。
の顔が一瞬膠着した。

「え・・・あはは!大正解だよ!」

もふざけて笑う。
その冗談が風に流されて、切なく僕の髪をなびかせる。

どうか、神様。
僕の想いも君に届けてくれないか。

「ふふっ、そうだろうと思ったよ。」

「へへ。ねぇ、リーマス・・・」

がふわりと笑った。
息苦しいとさえ感じた。

「・・・・・か、帰ろうか!なんか寒くなってきたし。」

そう言って君は方向転換をした。
今度は僕が前で君が後ろになって、もと来た道を戻った。
でも、本当は僕が君を追う方なんだけれど。



「ねぇ、リーマス・・・。」

小さな声で君が僕の名前を呼んだ気がした。
それと同時に強い風が吹き上げた。

「え・・・?」

気のせいかもしれないけど、一応の方を振り返ると君は自分の足元を見つめていた。
だから、今聞こえた君の声は、きっと僕の空耳。
あんなこと君がいうわけない。

「何でもないない!あーおなかすいたわねー!早く行こうっ!」

僕が再び前を向きかけた時、が後ろから大声を張り上げた。
そして、あっという間に僕を追い抜いていく。

「あっ、待ってよ!」

僕も必至での後を走る。





『嘘、じゃないよ。』



その言葉が僕の中でうるさく鳴り響いていた。
今度は空耳とかじゃなくて、君の口から聞きたいものだよ。



そして、停まってくれない君を僕は追いかけた。
いつかはその距離をゼロに出来るように、僕は君の背中を見つめる。
君を停まらせたくは無いから、僕は一生懸命走るんだ。

たった一ミリずつ君に近づくんだ。



そしていつか君と並んで歩くんだ。






ちょっと書き直してみました。
うちのリーマスは白いですね;;




Blue様より相互記念で頂きました!いやもうどうしましょうこのときめき!(黙れ
あんな素敵有名サイト様と相うちみたいのが相互だなんてそれだけでもびっくりなんですが
さらにこんなものまで頂いてしまってもう嬉しい限りです。本当にありがとうございました!