LOW TECHNIQUE ROMANTICA
ハイなテクニックなんて、使ってるヒマないんだもん。
「ねえ、リーマスってどんなタイプの子が好み?」
うわ直球だなお前!!
隣で誰かがリーマスに尋ねるのに、あたしは耳をすませた。いえすませたどころの話じゃないですけどね。耳ダンボです。全身耳です。だってリーマスだよ?リーマス。あのグリフィンドールの王子様その2(その1はシリウス・ブラックらしいですけどリーマスが1だってアタシ的には。まあどうでもいいかそんなことは。)リーマス・ルーピン。
そんな王子様に「好みのタイプは?」とか聞いちゃうなんてすごいなあ、と思いながらあたしはちょっと顔を上げて盗み見た。おお美人。
「好みかあ…優しいコかな?」
リーマスは平然と答えた。さすが手慣れてる感が否めないよこの人。っていうかそんなことより!優しい子が好みなんだねリーマス!よしあたしは頑張るよ。それを知ってから頑張ったところでそんなの優しいって言わないけどね。まあいっか。
それだけ答えるとリーマスは、あ、僕行かなきゃと言って爽やかな笑顔を残して去っていった。直球少女がその後ろ姿に向かって頑張ってねと言う。いや何をだ?っていうか何しに行くのかなあ。何か頑張りに行くんだねよく分かんないけど。
つうかすごいよ直球少女さっそく優しい女の子全開だよ!ライバル(と言えるのか)(微妙だな…あたし論外だな…)とはいえあたしこういう子憧れるな。でもリーマスの彼女とかになっちゃたら嫌だな。しょーがないけど。
「あ」
「ん」
廊下でばったり会った、リーマスに。うわ思わず倒置しちゃったよ浮かれすぎだよ自分。リーマスは何かを運んでいたのであたしはそれに近づいて行った。いや別に優しさを演出してるんじゃないです普通だって。いつもだって。いつもこんなだって。言い訳するほど怪しい?ほっといて下さい。
「手伝おうか?」
「いや良いよ、軽いから」
「そっか…」
「……優しいよねは」
「え、いや、はは別に(何かちょっとやましい気分になるなあ)」
「ていうか何か用事があるんじゃないの?」
「うーん、特にはないよ」
「そっか。じゃあ談話室行こうよ、談話室。僕今チェスがしたい気分」
「チェス?うわ弱いよあたし」
「そんなことないじゃん」
「そんなことあるし」
あたしがそう言うとリーマスは楽しそうに笑い、歩き出した。やっぱり持ってあげるべきだったかな無理にでも。だって優しい子がタイプなんでしょ?いやでもそれはただのお節介?難しいところだなあ…っていうか直球少女のお陰で無駄な悩みが増えちゃった。聞いてたあたしが悪いんだけど。気になるじゃん。
「りっリーマスは…」
「うん」
「ああ…いや何でもないやっぱ」
「どうしたのさ」
「…あー…あ、直球な女の子の方が好み?」
「え?」
あ?
おいちょっと待て今なんて言ったの自分!!口に出すことですかそれは!直球少女じゃあないんだから!
「いやいやいや今のナシ!ナシ!ちょっと違うこと考えてて」
「そうだなあ」
「いやいやいや待って(直球好みとか言ったら泣くよあたし)」
「僕は優しい子が好み。別に直球でも相手によれば嬉しいけどね」
「そ、そっか!」
「ってついさっきも言ったでしょ?」
「あーうん……ってあ!いやあのごめん聞こちゃったの」
「聞こえてると思ってたよ」
リーマスは心底おかしそうに笑う。さすが王子様その2!笑う姿も麗しいです。聞いてたことがバレてたのはちょっと恥ずかしいけどあれは直球少女のせいだししょうがないしょうがない。リーマス全く気にしてないみたいだし。さすが慣れを感じるよ。
「直球が好きって?さっきの子の話?」
「へ…あ、うんまあね」
「そうだね。別に嫌じゃないけどね」
「だよね…」
そりゃ嫌じゃないだろ。落ち込むな自分。あの子可愛かったし美人だったし直球だったし。ああもう三拍子じゃないの。落ち込むな落ち込むな。
「でもさー」
でも何?あたしは横を向く。リーマスは相変わらず笑っている。ああ談話室はもうすぐそこだ。あたし結局持ってあげてないな、荷物。でもリーマスは女の子に荷物なんて持たせないタイプだししょうがないよね。
「優しさだったらの方が上だよ?」
「え!あ、そ、そう、なんでしょうか」
「直球さもさっきの質問でかなり迫ってきたよ」
「あーうんあれは自分でもどうしたよって思った!」
「っていうかさ…キミ以外に直球勝負されてもね、しょうがないんだけどね僕としては」
「あーそうなん………ん?キミって誰」
「あー談話室着いた。チェスしよチェス」
「ええ!?待って何だ今の!」
しょうがないのはこっちだよ!全くもうどうすれば良いのか分かんないじゃんキミって誰、え、あたしじゃないの?まさかそんなありえないことだけどいやでもそういうのもアリなシチュエーションだったよね?(むしろそれしかない。)ああ生憎あたしは彼の真意を掴むようなテクニックを持っていないよ。…取りあえず優しさを演出したいあたしとしては、彼のチェスに付き合ってあげるのが先決なんでしょうか。
050831
(意味不明ではないよね。むしろ少女漫画週間です。あー面白かった!笑)