人造人間398号
CYBORG398













「リーマスってば人造人間なんじゃないの!」
「は?」

がそんなこと言い出したのは全く唐突だった。僕は思わず眉を寄せる。きっとこれからは下らない話を力説するだろう、延々と。それが僕を楽しませることを彼女は知っているのだ。というかそうだと思いたい。別に僕のことなんて気に掛けてない可能性は無視したい。そういうものだよね。


「だってさあ、完璧じゃん」
「そうかな…」
「そうだよ。完璧だよ」
「何で?」


何でって。は僕の完璧だという点を羅列して見せた。頭が良いカッコイイ運動も出来る優しいユーモアもある背も高いスタイルも良い髪の毛も綺麗肌も綺麗悪戯仕掛け人である監督性でもあるエトセトラエトセトラ。
僕は笑って聞き流していた。に褒められるのは嬉しいけど、それよりもこういうところが好きだという言葉の方が良い。出来れば。

「それはどうも。でも急だね、またずいぶんと」
「だってリーマスがこんな難しい問題をスラスラと解くので」
「得意なんだよ」
「ふうん…あ、でもさっきのはやっぱ間違いかも」
「さっきの?」
「人造人間」
「そうかもしれないよ」
「ありえないね」
「何でさ」



はにこりと笑い、愛しそうに僕の手元を見つめた。それは僕の好都合な勘違いなのかも知れないけど。

「リーマスの優しさは、人間の痛みを知っている優しさだから」



ああ。




僕は人間の痛みと獣の痛みの両方を知っているよ、。そう打ち明けたらどうするのかな。
きっとすごいことだよそれと笑って僕を愛しそうに見つめるんじゃないかと僕は最近、思えるようになってきたんだ。
自分を誇りに思えるかなんて考えたこともなかったけれど、(だって、そんなはずないじゃないか。)は僕のことをいつも誇りに思って居る。僕はどこからどう見ても完璧に不完全で救いがたいじゃないかと頭の中で声が反響しても、やっぱりは僕のことを賛美してばかりな気がする。

理由は知らない。僕が完璧だからなのだと彼女は言うがまさか本気でそう思っているはずが無い。はそんなモノを僕に押しつけるような傲慢な人間ではないからだ。彼女はただ僕のことを知っているだけだ。誰かに造られないと存在できないような自信のない僕のことを。(そう思うと「人造人間」というのは中々アイロニカルだな。)だから無意識に僕を認めようとするのだろう、は優しいからね。そんなこと僕は言ってあげないけど。
彼女がこんな僕に愛想を尽かした日には僕は潔く活動を停止してしまおうと思う。きっとそう言ってもそんな日は来ないよバカと笑われるだろうから言わないでおく。



「人間の痛みね…色々考えちゃったよ」
「でもそうでしょ」
「いいや」
「あはは否定すると思った」
「そう」
「だからあたしは否定しない」
「ひねくれてるね」
「ううん褒めてるの。リーマス君てば最高だね!」
「はいはい、ありがと」


は楽しそうに笑った。いつもと、丁度同じように。





もし僕が作られた人間なのだとしたら、いやそんなはずはないと分かっているけど、ある意味が僕の存在を形作って保ってくれていると言っても良いとたまに思うんだ。そんな風に思っていることを彼女が知っているか知らないのか分からないけど、きっと僕が人狼だろうとゾンビだろうとドラキュラだろうと、君はこう言うだろう。リーマス、あなたはなんて完璧なんだろう、と。



















030831(少女漫画週間な筈なのにリーマス視点では無理でした。ひたすらリーマス賛美になった。だってあたしアホだもの笑)