桜色の煙を浮かべているこの城で浮かれ気味な人々。あたし含む。
春一番 が吹く頃に、桜が咲いて、嬉しくも、ない
春風が激しく吹きすさぶ季節であります。
激しく吹きすさんでいるアレは多分春一番ってヤツだと思う。
は歩いていた。花びらをうざったそうに払った。
桜の木はこの学校にそぐわないような気がしていた。
でもリリーはが桜の花に映えると言ってくれた。日本人だからだろう。
それとも桜が和風に思えるのはあたしの思い込みなんだろうか。
まあそんなこんなで春できっとみんな浮かれてるんだ。
だから当たって砕ける告白者とか出ちゃったりするんだ。
「す、好きですルーピン君・・・!」
「はっ・・・!」
出ちゃったりするんだ。・・・くっ、あの女・・・!(メラメラ)
リーマスは目を白黒させながらその女を見ていた。
きっと今の今まで考え事をしているフリしてぼんやりしていたんだろう。
それともそれはあたしの思い込みなんだろうか。
「あ、あの、私と付き合ってもらえませんか?」
「ええっと・・・」
きっとヤツは今こう思っているんだ。この人誰だろう。
そしてどう悲しませないように断るか考えているんだ。
リーマスは今のところそんなのに興味が無いみたいだからそうに決まってる。
それともそれはあたしの思い込みなんだろうか。
桜がここにそぐわなくてあたしはここにあっていいのか
「僕は」
「あの!友達からでも構いませんので!」
リーマスの言葉を絶妙なタイミングで遮ってその女は叫んだ。
人の話は最後まで聞けよ!と思ってるあたしの感情は八つ当たりだ。
しかし彼女、なかなか性格の良さそうなことを言う女だ。可愛いし。
リーマスにまとわりついて甘ったるく喋る女達よりずっと良い。
リーマスは煩い女は好きではないはずだ。この女は好みのようだ。
それともそれはあたしの思い込みなんだろうか。
「友達から・・・?」
「はい!」
押され気味だリーマス。根が良い人だからあんまり冷たい事は言えないだろう。
もしかしてこれはあの女の策略なのか。
それともそれはあたしの思い込みなんだろうか。
「うーん、と、それなら」
そう言ってリーマスは視線を泳がせた。するとばっちり眼が合ってしまった。
リーマスは驚いた表情をして固まって口を開閉させた。
あたしは「気にしないで」というメッセージを送ろうとしたが
さすがにボディランゲージでは無理があった。それに本当は気にして欲しい。
リーマスは突然目の前にいる方の女に向き直って真顔で言った。
「ごめん、無理」
「え、ええっ!?」
「ごめんね」
「・・・嘘・・・」
「・・・ごめんね」
そう言うとその女がうつむいているスキにリーマスはさっさと歩いてきた。
近くを通り過ぎる時にあたしの手首をつかんでそのままそこが見えなくなるまで歩いた。
意外に気にしてもらえたのかもしれない。
それともそれはあたしの思い込みなんだろうか。
城に向かって歩きながら(あたしの意思は無視なのか)リーマスは言った。
「何であんなとこに」
「散歩ですよ」
「はー・・・恥ずかしいなぁ」
「そんな何言ってるのさこの色男!」
「やめてよそれ・・・」
「結構可愛かったのにあの子」
「見てないや・・・」
「見ろよ!何やってんの!」
「良いじゃんか別に・・・」
「(拗ねてる!?)」
桜色でピンク色でみんな甘い気分で浮かれているんだ。
それともそれはあたしの思い込みなんだろうか。
あたしもリーマスに手を引かれて浮かれて帰った。
030602(手!引かれたい!)