グリーングリーン
NO-MEANING,Green-Tea






「げ、なにそれ」

が手に持った持ち手の無い不思議なカップに入った液体を見て、僕は思わず呟いた。
理由は簡単だ。それが、緑色をしていて、そのくせに無臭だったからだ(つまりジュースでもない)



「日本のお茶」

はひどく落ち着き払って答えた。僕の質問なんて、今の彼女にはさして意味を持たないらしかった。
それは別に特に珍しい事ではなくて、つまり僕は彼女にいつも割りと意味の無い質問をするのだ。



そう、意味など無かった。の持っている変なカップに入っている液体が何だろうと、
そんなことには大して興味が無かった。ただ何となく、聞いてみただけだ。




「そう」

だから僕はただそう告げて、それ以上何も言わずに、革張りのソファのの隣に座った。





はお茶を飲むのが好きだ。と、僕は思っていた。でも彼女がお茶を飲むのは、
僕に誘われた時がほとんどなのだ(ちなみに紅茶だ)本当に、好きなのだろうか。

を見ると、幸せそうに日本のお茶を口に含んでいる。目を閉じて息を吐く。
日本の習慣なのだろうか。そういえばは紅茶を飲む時もこんな事をする。



「日本の習慣?」
「ん?」



また、意味の無い質問だ。当たり前すぎて違和感が無いくらい、意味が無い。


「何が」


はカップを持つ手を膝の上に下ろしてこちらを見て、息を吐きながら尋ねた。



「飲み物飲んだ後に、息吐くのが」


僕がそう言うと、は少し目を見開いた。驚いた、というほどではなかったかもしれない。



微妙に何も言わずに、は手の中のカップを見つめた。変な形だ、と僕は思っていた。
持ち手が無いなんて明らかにおかしいだろう。あれじゃ飲む時熱いんじゃないか。




「何で持ち手が無いの?」




僕は言った。が少し笑う。



「さっきの質問にもまだ、答えてないよ、あたし」
「別に良いよ」
「良いの?」
「さっきのもまとめて答えれば良いでしょ」
「ああ、そうだよね・・」
「熱そうだ」
「そう?」
「持ち手が無くて」
「ああ、これは」



持ってみてよ、とは言って僕にカップを渡した。もちろんそれは暖かい。



「暖かいでしょ」
「うん」
「手が温まるわけよ」
「あー・・そういう狙いか」
「さあ」
「は?」
「どうだろう、あたしがそう思ってるだけ」
「ふうん」
「でも、だとしたら、良いと思わない?」
冷え性だからね」
「・・・」


肩をすくめてから手を伸ばし、僕の手からそっとカップを取ると、はもう一度それに口をつけた。
ぼんやりと虚空を見つめて、また息を吐く。それを見て僕は何となく言った。



「2個目」
「はい?」
「さっきの、2個目の質問だよ」
「あ、何だっけ1個目」
「・・・」



へらりと笑って尋ねるを見ながら、僕は数秒固まった。何だっけ?
思い出せないほど大して意味の無い質問ばかりなのだと、改めて思う。



「何だっけ・・」
「うわ!覚えとけ自分で聞いたくせに!」
「う」
「ボケてんじゃないー?」
に言われたくないし」
「あたしの台詞だねそれは」



カップの中の緑色を見ながら、は続けた。



「でもさぁ、シリウス辺りにはどっちもどっちだって言われるねぇ」
「そうかな」
「リリーにもね」
「ああ・・」
「ジェームズもだ」
「うん」
「ピーターは・・言わないけど・・思ってるよね」
「ああ、あれはそうだね、多分」



振り向いて、僕が頷いているのを見て、はにこりと笑った。



「ああ、りーマスとは、気が合うね」





「お茶を飲むのは好き?」
「え?うん」
「やっぱり」





僕も笑った。意味の無い質問が心地よい関係を、とても愛しいと思う。



















031202(ほのぼのって良いわー・・)(でも文章下手で申し訳ない)